3日目-高速恐怖症
ああー、やっぱり筋肉痛だ…
微妙に荷物の揺れる自転車のコントロール、全身にきている。せっかくだしプロテインでも導入してみようかな。
さあ、本格的に行くぞ、まずはフェアバンクス、今日はワシラか。
…と、思っていたのだけど、出てしまった。
悪癖「高速恐怖症」
ふざけんなよと、あちこちから言われそうですが、仕方ない。急に来るのだから。
日本より自転車道が広いとは言え、車が横をギュンギュン走るわけですよ。しかもだいたいデカい車。
排ガス浴びるわ風で押されるわ、神経すり減ってやられました。
途中で嫌になって高速を降りたら、今度は若干危険な匂いのするエリアへ…ホームレス、半裸、怪しい笑い声。
やばっ、と思った時には下り坂だったので、一気に走って脱出。
諦めて高速に戻ってしばらく走っていると、反対側に自転車レーンを発見。なんてこった。
合流の所で車線変更し、精神を回復させながら進む。
ウロウロして時間食ってしまったので、今日は近くのキャンプ場で終わりにしよう。
イーグルリバーキャンプ場に到着。20ドルですか、いいお値段。
予約してないけど泊めて、って英語で結構スムーズに頼めた!成長してるんでないか。
なんか「行ったら話せるようになる」ってちょっとわかってきた気がする。
上手くいかなかった会話とか、言えなかったことを調べて、上手くいったら次のステップ。
必要に迫られて、ではあるけど、復習の大切さを感じた。予習はあんまりしてない。
2日目-本当のスタート
中国→ロサンゼルスの機内
隣の席の人が見ている映画を横目で見ていた。
ダンスバトル(社交ダンスで女性を庇いながら暴漢撃退)やら料理バトル(前に見た剛力彩芽主演のドラマと似た感じ)やら、ツッコミどころがあって面白かった。
夜間のフライトのためか窓は閉められてしまい、雲海は拝めず。
エコノミークラス症候群とかあったなと思い、時々体を動かしながら過ごす。
ようやく夕方のロサンゼルスに到着。
入国審査で弾かれたら元も子もない、と緊張しながら列に並ぶ。
前の人が別室に連れてかれてるー!大声でなんか言ってる!怖っ!自分は大丈夫か?
無駄にドキドキして落ち着く間も無く「Next!」とお呼びが…お姉さん目が怖いっす。以下やりとり。
「(アメリカには何をしに?)」
「観光」
「(何日?)」
(えーと180日は6ヶ月、Maxで怪しまれたらいやだからー…)
「5ヶ月」
「(なぜ?)」
「自転車で世界一周に挑戦するんだ」
「(…)」無言でスタンプ、バシンッ!「OK」
無事入国!緊張したよまったく…
空港の周りは都会的というか観光地的な作りで、時間があって荷物も軽ければ散歩したかったが、断念。
せめて買い物経験を増やそうと思い、勝手のわかるスタバへ。定形外のちょっとした会話が難しい。
3便目、いよいよアラスカへ。
ここの手荷物検査で化粧水が引っかかり、処分されてしまう。乾燥肌なんで辛いが、揉めたくないので諦める。後で買おう。
夜中の移動だったがこちらは窓を閉められなかったので、外を眺めていたのだけど、そろそろアラスカかな、という辺りから町の明かりが全く見えないエリアが続く…
明らかに雲の下にいるから、無人地帯=無補給地帯になるだろうか。がんばろう。
午前4時、遠くに朝焼けを眺めながら、アンカレッジへ到着。
荷物は無事だろうか…ネットで調べたら扱いが悪いところが多いようで、ここはかなり心配だったが、無傷で到着していた。
移動疲れと、外がまだ暗いので1時間ほど寝てから自転車を組み立て。荷物をバッグに入れたらギチギチ、食料どうする。
さて、行こうかね。声に出す。
静かに気合を入れて、出発。
今日は数キロ先の宿までだからのんびり行こう。
途中で少し買い物をして、昼過ぎに宿へ。
気疲れのせいかすぐ寝てしまった。
夕方目が覚め、軽く食事を済ませて荷物整理。
ギチギチ具合は変わらず。なんか捨てるか?
同室の人と少しだけ話し(沖縄に3年いたらしい)就寝。
白夜だっけ?まだ外が明るかった。とりあえず時差ボケは大丈夫そうだ。
1日目-出発
朝いつも通り起きて、なぜかワクワクも不安もなく。
良くも悪くも大人になったのか、緊張のあまり感情がストップしてるのか。たぶん後者。
荷物は親の車に乗せ、新千歳空港まで送ってもらいました。バイクポータープロと、プリンタの段ボールを受託手荷物、自転車用バッグを1つ持ち込み手荷物に。全部ギチギチ、ちゃんと詰めて漕げるか…?
明日の自分が頑張ってくれる。大丈夫。
空港でバイクポーターのサイズ、少し膨らんでたのか204cmになってたところを、箱に書いてる203cmで扱ってくれた。わざわざ測り直して。
その1cmで超過料金が変わるんだよ!ありがとうお姉さん!
搭乗ゲートで親と別れる時も、お互い
「じゃーねー」
くらいのもんである。今生の別れかと涙したりしない。いいけど。
行ってきます。
アラスカまでの1便目、新千歳→浦東
窓際の席予約してたんだけど、隣の女の子が席替わって、という意思を発してきたので(言葉わからず)トレード。
4時間一緒だもの。断っても精神衛生上良くないしね。
機内食は意外と美味しくて、謎フードもなく。そういえば鰻入ってた、1口大が2切れ。絶滅の危機とは…
着陸間際、陸が見えて昂ぶってきた。
建物が、街の作りが、水の、畑の色が違う。
機内の匂いが変わった。
ーああ、知らない世界だ。
ええ、初海外です(無茶)やっとドキドキしてきた。
浦東に降りてからバタバタしてしまって、
「どこにもtransitって書いてないぞ!」とウロウロ…boarding gateって案内されるもなぜか辿り着かない。
語学ぶん投げてきて本当にごめんなさい、って思った。英語はぼんやりだし、中国語なんてまるで分からない。走る時までにちょっと勉強しないと…
よく海外行ってきた人の言う、ジェスチャーと雰囲気でなんとかなる。のは本当だったけど、ちょっと甘えてたなと反省。
2便目、浦東→ロサンゼルス
21時発、フライト12時間、到着は出発時刻の3時間前、18時。ん?
国際線のパイロットって体内時計どうなってんだろう…お疲れ様です。
私は時差ボケでバテる予感しかしないです。
あと、浦東ではじめてのかいもの
塩レモン水(無難な選択)¥172
元は作ってなかったので、カード払いでと思って、
「キャナイユーズディス?」(店員さん中国人&カード見せてVISAのマークくるくるー)
「OK、大丈夫デスヨー」
酷い語学力だ、まったく…
飛行機で日を跨ぐので、今日の分はここまで
自分語り
うえむらわたる です。
自己紹介とか、旅に出る理由なんかを書こうと思います。
自己紹介
改めて、
名前:うえむらわたる 本名ですが、「インターネットは怖いもの」なので平仮名にしてみました。(申し訳程度の自己防衛)最新のあだ名はうえぽん。
年齢:1990年生まれ、8/1現在26歳。芸能人だと浅田真央、加藤諒、ブルゾンちえみ、三浦春馬といった方々と同い年らしい。
バブル最後の年、とか、スーパーファミコン発売の年に産まれたそうです。
産まれた年のウィキペディアは結構面白い。
略歴:学生時代は吹奏楽部、仕事はパティシエ、さらにゲーマーと、スポーツとは縁のない経歴、趣味。
楽器もパティシエも体力必要ではあるけど。
専門卒、20歳で就職した会社で6年働いて、退職して出発します。
旅の理由
最初は学生時代、宗谷岬を見に行く旅。
往復2週間の中で、坂道、トンネル、草っ原。
一本橋にでこぼこ砂利道は避けたけど、色々越えて、ケガも故障も無く帰ってきて、
「できるじゃん」って、知ってしまった。YDKである。「どこでも行ける」感覚の虜に。
その後あの本に出会って、いつか世界一周!と心奪われた。石田ゆうすけ氏の「行かずに死ねるか!」どれだけの人を狂わせてきたのか…
それから自転車旅をする人が少なくないことも知り、確かな夢に。
壮大な自己満足、大げさに言えば、「魂を満たす旅」なんて思ってたりもする。
「世界を走る」のが重要なのであって、大目標は今のところウユニ塩湖とサグラダファミリアの2つだけだし。
行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅 (幻冬舎文庫)
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